口腔リハビリテーション科
口腔リハビリテーション科とは?
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赤ちゃんからお年寄りまで、すべての年代を対象に、摂食・嚥下の障害(食べる・飲み込む機能の障害)、言語の障害のある方々の機能維持・回復を目指してリハビリテーションを行っています。
食べる機能は、個人個人に合った「食形態」「食べ方、食介助の方法」、「姿勢」の指導、機能訓練を行い、機能の獲得、回復、維持を目指します。口から食べられていない方でも、口の機能を維持し、再び口から食べる準備のために口腔ケア、機能訓練を行います。また、頭頸部手術の方についても機能訓練、及び指導を行っております。人間の3大欲求の一つが「食欲」であります。当科では、食に関するリハビリテーション、サポート、指導を行い、一人でも多くの方が「口から安全に食べられる」ようになることを目指します。また、障害が重くて口から食べられない場合にも、口腔機能の維持・向上を目的とした訓練や指導を行います。
診療内容
- 摂食・嚥下(食べる・飲み込む)の障害のある方のリハビリテーション、マウスケア
- 訪問摂食機能評価、訪問口腔リハビリテーション
- 言語の障害のある方のリハビリテーション
- 口腔咽頭がん術後の方のリハビリテーション、マウスケア、顎捕綴(入れ歯)治療
- 障害がある方、寝たきりの方の歯科治療
- 嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)を用いての評価、指導
- 言語聴覚士による訓練
言語聴覚士による訓練
発声・構音は、口腔周囲を多彩に動かすことによって可能となる大変高度なテクニックです。少しでも機能の低下が見られると、それば発声時にゆがみとなって現れます。
また、舌は様々な位置へ動いたり接触することで、細かい音の違いを発音することができるため、こちらも大変重要な器官であるといえます。
例えば「た」は舌の前方が上あごにつきますが、「か」は舌の後方が上あごにつくことで発音できます。当科では言語聴覚士が在籍しており、一人ひとりの症状、障害にあわせた訓練やリハビリを行うことができます。
また、パラトグラム(舌の接触を確認する装置)を用いて、構音時の舌の動かし方を確認しながら訓練を行うことで、視覚的アプローチ、さらにはモチベーション向上を図ることができます(適応については担当言語聴覚士にお問い合わせください)。
嚥下内視鏡検査について
嚥下内視鏡(Videoendoscopy)検査
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1.鼻から内視鏡を入れ、咽頭部を観察します。
鼻の中を通るときに違和感や、わずかな痛みを感じます。
検査にあたり、食事の制限などは必要ありません。2.舌やのどの動きを確認します。
喉の奥や喉の見える位置までカメラが届いたら、観察開始です。3.日常召し上がっているものと同様の食品を食べていただきます。
検査には、ホームや自宅で通常食べている食品を使います。口の動きや喉の動きが正常かどうかを確認します。さらに、食品を食べる様子を観察して、良く噛むことができているか、食品が誤嚥されていないか、喉に食品が残っていないかなどを確認します。ご家族や関連の皆様と一緒に検査の画像を見ることもできますので、その場で、どんな形の食事が安全なのか、どんな食べていただき方が適切なのか、どんな栄養管理方法が適切なのかなどのケアプランの相談ができます。4.胃などを観察する他の内視鏡検査に比較して、違和感も極めて少なく検査することができますのでご安心ください。
合併症としては、鼻出血や喉頭痙攣(けいれん)などが知られていますが、いずれも発症率は1%以下で、安全な検査といえます。ご不明な点は、ご相談ください。
受診のご案内(外来・訪問共通内容)
患者さんへのお願い
当科は原則として予約制です。事前にお電話にてご相談、ご予約をお願いいたします。
ご理解のほどよろしくお願い申しあげます。
ご予約・お問い合わせ先
日本歯科大学附属病院 口腔リハビリテーション科 | |
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電話 | 03-3261-4768 |
電話受付時間 | 月曜日~金曜日:9時00分~17時00分 |
- 電話にて口腔リハビリテーション科初診のご依頼である旨をお伝えください。診療スタッフが直接お話させていただきたいため、こちらからお電話を折り返させていただくことが多いかと思います。ご理解のほど、よろしくお願い申しあげます。
- 症状や現在の状況など、初診前にお電話にてある程度詳細をご相談いただけますよう、お願い申しあげます。
受診にご用意いただきたいもの
1.診療情報提供書
摂食嚥下障害、言語障害の原因となる全身疾患や障害がある場合には、全身状態の把握や医療連携もリハビリテーションでは重要となります。医科主治医より診療情報提供書をご用意いただけるようにお願いいたします。
2.摂食・嚥下リハビリテーション依頼状
看護・介護・療育等専門職の方からのご依頼の際には、下記からダウンロードをしてお使いください。
対象年齢
0歳からご高齢の方まで、どなたでも受診可能です。年齢制限はありません。
食べること、コミュニケーションのことでお困りの方、またご家族の方は、どなたでもご相談ください。
摂食指導を受けられる方へのお願い
- 現在、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、感染予防対策を実施しております。
外来患者様には、受診の際に以下の点にご協力いただきますようお願い申し上げます。
外来診療のご案内
診療時間 | 月曜日~金曜日:9時00分~17時00分 原則的に予約診療となっております。事前にお電話にてご予約をお願いいたします。 |
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訪問診療のご案内
赤ちゃんからお年寄りまで、すべての年代を対象に、摂食・嚥下機能(食べる・飲み込む機能)に障害のある方、または障害が疑われる方に対して、安全な栄養摂取方法の確立を目的として、歯科医師による訪問診療での摂食・嚥下機能検査を行なっております。さらにその結果に基づき、安全な栄養摂取方法の設定および必要な訓練の指導を行います。
訪問診療での主な評価
1.外部評価
摂食・嚥下機能の評価をする際、舌や顎の動き、口唇の閉鎖、一口の量、食べるペース等の情報を得るために外部より食事の様子を観察することは非常に重要です。食事の様子を観察することで口の動き、適切な介助の方法などを調べます。また、観察の際、ビデオ等でその様子を録画し、繰り返し観察することが必要となります。
2.嚥下内視鏡検査
鼻咽腔ファイバースコープ(直径約3㎜)を鼻の穴から挿入し、鼻の奥・のどの形や動き、衛生状態、粘膜の状態、唾液貯留の有無、誤嚥や残留の有無・程度を調べます(食道の中には入れません)。内視鏡を鼻の穴に挿入する際の鼻出血は0.3%程度しか起こらないとされています。
※小さなお子様や、動いてしまう方に対しては、ご希望があっても嚥下内視鏡検査を行えない場合がございます。ご了解ください。
※普段食べている食品を用いて検査を致します。検査機器は持ち運べるため訪問診療での対応が可能です。
訪問診療のエリア | 当院より半径16km以内となります。 |
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訪問診療の頻度 | 原則1~3カ月おき、治療期間は1年となっております。 症状によって異なりますので、ご相談ください。 |
訪問診療の費用 | 治療にかかる費用は、基本的にすべて保険診療内です。
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歯科治療 | 原則として歯科治療や口腔ケアについては行っておりません。地域の歯科医師と連携をとり、地域の訪問歯科治療で困難な場合には対応をいたしますのでご相談ください。 お子さんの歯科治療は当院小児歯科にもご相談ください。 小児歯科受付 03-3261-4754 |
診療費のご案内
当科での診療は、外来、訪問ともに保険診療となります(脳血管障害後遺症、認知症、脳性麻痺、遺伝子疾患、などの摂食嚥下障害、言語障害の原因となる全身疾患や障害がある場合)。
ご注意
- 原因となる全身疾患や障害がない場合のみ自費診療となる場合があります。受診前にご相談ください。
- 1つの病名で複数の医療機関での保険診療は同時に受けることができません。他の医療機関でのリハビリテーションを現在受けている、もしくは受けるご予定のある方は、受診前にご相談ください。
医療従事者向け
ご紹介いただく際は、下記項目の摂食・嚥下依頼状にご記入いただき、また主治医の診療情報提供書を合わせてご送付若しくはファックスにてお願いしております。 聴取不可能の場合や検査未実施の場合はこの限りではありませんが、分かる範囲での記入をお願いいたします。 事前の情報共有により、診療診療および検査が円滑に進行できますため、何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。
送付先 | |
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住所 | 〒102-8158 東京都千代田区富士見2-3-16 口腔リハビリテーション科 初診担当宛(もしくは担当名宛) |
FAX | 03-3261-5706 口腔リハビリテーション科 初診担当宛(もしくは担当名宛) |
往診となる場合は、保険で定めます半径16km以内が適応となり、原則となります。16kmを越す場合は、往診が困難となりますので、ご相談ください。
2012年秋に口腔リハビリテーション多摩クリニックを開院いたしました。
多摩地区にお住まいの方は、多摩クリニックでの受診をお勧めしております。
「口腔リハビリテーション多摩クリニック」は、こちらをご覧ください。
摂食・嚥下検査依頼状(PDF)
スタッフ紹介
口腔リハビリテーション科科長 | 田村文誉(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック) |
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口腔リハビリテーション科医長 | 児玉実穂 |
口腔リハビリテーション科 | 町田麗子、鰕原賀子、元開早絵、柴崎育美 冨岡孝成、伊藤瑞希 |
総合診療科 | 岡山浩美 |
歯科衛生士室 | 西林佳子、村田和音 |
言語聴覚士室 | 西脇恵子、南久美 |
新型コロナウイルス感染症予防のため口腔ケアの際に気を付けること
口腔ケアの際に気を付けたいこと
歯科医師の方へ「口腔リハビリテーション レジデント」
- 附属病院口腔リハビリテーション科(飯田橋)/口腔リハビリテーション多摩クリニック(東小金井)にて、摂食嚥下リハビリテーションの臨床・研究を学び、専門家を目指しませんか?
乳幼児から高齢者まで、外来から在宅まで、たくさんの症例を経験できます!いま社会のニーズが高まっているこの分野で、ひとりでも多くの歯科医師が社会に貢献していけるよう、わたしたちがサポートいたします。
日本歯科大学 | 口腔リハビリテーション多摩クリニック | 院長 教授 菊谷 武 |
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口腔リハビリテーション科 | 科長 教授 田村文誉 | |
口腔リハビリテーション科附属病院 | 医長 講師 児玉実穂 | |
口腔リハビリテーション科 一同 | 一同 |
問い合わせ先
元開早絵・町田麗子(附属病院口腔リハビリテーション科 03-3261-4756)
古屋裕康・礒田友子(口腔リハビリテーション多摩クリニック 042-316-6211)